【第172回 芥川賞・直木賞(2025年)特集】 芥川賞受賞作品・直木賞受賞作品

芥川賞(芥川龍之介賞 あくたがわりゅうのすけしょう)

文藝春秋の創業者・菊池寛(明治21年~昭和23年)が、友人である芥川龍之介(明治25年~昭和2年)の名を記念し、直木賞と同時に昭和10年に制定しました。

雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから、最も優秀な作品に贈られる賞です(公募方式ではありません)。

正賞は懐中時計、副賞は100万円。

授賞は年2回で、上半期(前年12月から5月までに発表されたもの)の選考会は7月中旬に行われ、受賞作は「文藝春秋」9月号に全文が掲載されます。

下半期(6月から11月までに発表されたもの)の選考会は翌年1月中旬に行われ、「文藝春秋」3月号に全文が掲載されます。

現在の選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・川上未映子・島田雅彦・平野啓一郎・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一の各氏です。

直木賞(直木三十五賞 なおきさんじゅうごしょう)

文藝春秋の創業者・菊池寛(明治21年~昭和23年)が、友人である直木三十五(明治24年~昭和9年)の名を記念し、芥川賞と同時に昭和10年に制定しました。

新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)のなかから、最も優秀な作品に贈られる賞です(公募方式ではありません)。

正賞は懐中時計、副賞は100万円。

授賞は年2回で、上半期(前年12月から5月までに発表されたもの)の選考会は7月中旬に行われ、受賞作は「オール讀物」9・10月合併号に一部掲載されます。

下半期(6月から11月までに発表されたもの)の選考会は翌年1月中旬に行われ、「オール讀物」3・4月合併号に一部掲載されます。

現在の選考委員は、浅田次郎・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆきの各氏です。

概要説明

芥川賞と直木賞は、日本の文学界で最も権威ある文学賞のひとつで、毎年注目されています。

両賞は文藝春秋社が設立し、1935年に創設されました。

芥川賞は芥川龍之介を記念し、純文学作品を対象に、主に新人や中堅の作家による短編・中編小説が選考対象となります。

一方、直木賞は直木三十五を記念しており、エンターテインメント性が高い大衆文学作品が対象で、こちらも新人や中堅の作家が対象です。

両賞は年に2回、1月と7月に発表され、その選考過程や受賞作家、受賞作品は文学ファンやメディアから大きな注目を集めます。

芥川賞・直木賞の受賞は作家にとって大きな栄誉であり、文学界への注目や評価のステップとなるほか、受賞後には売り上げが大きく伸びることが多く、書籍の宣伝効果も大きいです。

第172回 芥川賞受賞作品(2025年)

  • DTOPIA(デートピア)|安堂 ホセ

    恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。

    ミスユニバースを巡ってMr.LA、Mr.ロンドン等十人の男たちが争う──時代を象徴する圧倒的傑作、誕生!

  • ゲーテはすべてを言った|鈴木結生

    高明なゲーテ学者、博把統一は、一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出会う。

    ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求めて、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが……。

    ひとつの言葉を巡る統一の旅は、創作とは何か、学問とは何か、という深遠な問いを投げかけながら、読者を思いがけない明るみへ誘う。

    若き才能が描き出す、アカデミック冒険譚!

第172回 直木賞受賞作品(2025年)

  • 藍を継ぐ海|伊与原新

    数百年先に帰ってくるかもしれない。懐かしい、この浜辺に――。

    徳島の海辺の小さな町で、なんとかウミガメの卵を孵化させ、自分ひとりの力で育てようとする、祖父と二人暮らしの中学生の女の子。

    年老いた父親のために隕石を拾った場所を偽ろうとする北海道の身重の女性。

    山口の見島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男。

    長崎の空き家で、膨大な量の謎の岩石やガラス製品を発見した若手公務員。

    都会から逃れ移住した奈良の山奥で、ニホンオオカミに「出会った」ウェブデザイナーの女性――。

    人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。

    『月まで三キロ』『八月の銀の雪』の著者による、きらめく全五篇。